AQUOS senseシリーズといえばコスパ重視のミドルレンジスマホだからスペックに関しては特に期待していなかったんだけど、ついこないだ発売されたsense10は処理性能が大幅に向上したということで購入してみた。
ということで、実際に1ヶ月ほど使ってみて感じた良いところと残念なところをレビューして行きたいと思う。
スペック
仕様
- SoC:Snapdragon 7s Gen 3
- メモリ(RAM):6GB/8GB
- ストレージ(ROM):128GB/256GB
- バッテリー容量:5000mAh
- サイズ:縦149mm,横73mm,厚さ8.9mm
- 重量:166g
- 本体色:フルブラック,ライトシルバー,ペールピンク,ペールミント,カーキグリーン,デニムネイビー
カメラ
- リアカメラ:標準(5030万画素),広角(5030万画素)
- フロントカメラ:3200万画素
ディスプレイ
- ディスプレイサイズ:6.1インチ
- 解像度:1080×2340(フルHD+)
- パネル:Pro IGZO OLED
- リフレッシュレート:最大240Hz
- 輝度:全白1500nit,ピーク2000nit
その他機能
- おサイフケータイ
- 生体認証:顔,指紋
- 防水防塵性能:IP68
- MIL-STD-810GおよびMIL-STD-810H規格に準拠
- microSDXCカード対応(最大2TB)
- Bluetooth 5.2
開封の儀
赤の差し色が目立つパッケージ。洗練されている上に箱自体もしっかりしていて好印象。

上蓋を開けるとsense10とご対面。

パッケージ内容はかなりシンプルで、簡易的な説明書と保証に関する紙とデータ移行用のクイックスイッチアダプターのみ。クイックスイッチアダプターは単純にUSB-AをUSB-Cに変換するアダプター。

使用感レビュー
ポップでミニマルなデザイン
昨年発売モデルのsense9と同じくmiyake design監修のデザインを継承している。ポップでカワイイ雰囲気は相変わらず、NFCのロゴが消えたことによって超が付くほどのミニマルデザインになった。

質感に関しては価格相応という印象。カメラバンプはプラスチックだし筐体はフルアルミ製だから高級感は無い。

インターフェースはごく一般的で本体右側面に電源ボタンと音量ボタンが配置されてるんだけど、sense10の音量ボタンはめちゃくちゃ上にあって押しづらい。以前レビューしたsense8も同じような配置で使いにくかったから改善してほしい。

上側面はサブマイクのみ。

左側面にはSIMスロットがある。ピンが不要のタイプでnanoSIMカードx1とmicroSDXCカードx1に対応。sense10はeSIMが使えるからデュアルSIM運用もできる。

下側面は画像左からスピーカー、USB-Cポート、メインマイクという配置。

超軽量
価格相応の質感というと聞こえは良くないんだけど、その分かなり軽量な仕上がりになっている。
公称値は166gで実測は165g。これは薄型軽量を謳うiPhone Airと同じ重量感。sense10は胸を張って軽量スマホと名乗れると思う。

ちょうど良すぎるサイズ感
縦149mm、横73mm、厚さ8.9mmの6.1インチディスプレイという比較的コンパクトなサイズで、片手持ちがしやすいしポケットへの収まりも良い。かと言ってディスプレイが小さすぎるということもなく、ちょうど良すぎるサイズ感のスマホだと感じた。

ハイエンドスマホだけでなくミドルレンジスマホも大型化が進みコンパクトスマホの選択肢が減ってきている昨今では、このサイズ感というだけでも貴重な存在だと言える。
Snapdrogon 7s Gen 3は先代から大幅改善
先代のsense9に搭載されているSnapdrogon 7s Gen 2はSnapdrogon 7シリーズの名を冠しているものの、実際のところ下位チップセットであるSnapdrogon 6 Gen 1と同じCPUコア構成で尚且つGPUも共通だから、どちらかと言えばSnapdrogon 6シリーズの上位モデルじゃないかという性能だった。
一方、sense10に搭載されているSnapdragon 7s Gen 3はCPUコア構成とGPUに刷新があり、Snapdrogon 7s Gen 2に比べてCPU性能が20%、GPU性能が40%、AI性能が30%ほど向上した。これでようやくSnapdrogon 7シリーズを名乗るに恥じないSoCになったと思う。
参考までにSnapdragon 7s Gen 3のCPUコア構成とGPUは以下の通り。
- プライムコア:Cortex-A720(2.50GHz)x1
- パフォーマンスコア:Cortex-A720(2.40GHz)x3
- 高効率コア:Cortex-A520(1.80GHz)x4
- GPU:Adreno 810
バッテリー持ちが超優秀
Snapdrogon 7s Gen 3はハイエンドチップセットに比べてクロック周波数が低く、処理性能で劣る代わりに消費電力量が少ないというメリットがある。その上sense10には5000mAhの大容量バッテリーが積まれているおかげでバッテリー持ちは超優秀だと感じた。
実際の使用状況におけるバッテリー消費量を検証してみた結果は以下の通り。検証時間はそれぞれ1時間ずつで、データ通信にはWi-Fiを使用。Bluetoothはオフとする。
- YouTubeでの動画視聴(明るさ50%,音量約30%):開始時97%,終了時92%,消費量5%
- X(明るさ50%):開始時91%,終了時87%,消費量4%
- ブラウジング(明るさ50%,Chromeを使用):開始時82%,終了時78%,消費量4%
- 原神(明るさ50%,音量約30%,グラフィック設定は”中”の60fps):開始時70%,終了時51%,消費量19%

上位機種に匹敵するスピーカー音質
sense10はステレオスピーカーを採用しているから臨場感がしっかりあるし、全てのスピーカーがBOX構造になったことで音圧も確保されている。
音の傾向としては全体的にシャープネスが控えめで柔らかい印象。人の声が聞きとりやすく音質に関しては上位機種と比較しても申し分ないと感じた。

唯一気になったポイントは共振があること。そんなに音量を上げていない状態でもsense10本体がビリビリと振動する。
MIL規格準拠のタフ仕様
もはやAQUOS senseシリーズのアイデンティティとなっているMIL規格準拠のタフ仕様はsense10でも健在。MIL-STD-810GとMIL-STD-810Hの全16項目に準拠した耐久性を備えている。
衝撃による破損を保証するものではないけど使っていて安心感がある。
独自のカスタマイズ機能が豊富
sense10ではAQUOSトリックと呼ばれるカスタマイズ機能が使える。カスタマイズ項目名と内容は以下の通り。
- 指紋センサーとPayトリガー:指紋認証センサーを利用して任意のアプリを起動できるショートカット機能。Payトリガーという名前だからウォレットアプリ限定かと思いきや全アプリに対応している。
- ロック・ホームフォトシャッフル:ロック画面やホーム画面の壁紙をランダムで切り替えることができる。
- Vocalist:通話時のノイズを抑えてクリアな声にしてくれる。あらかじめ自分の声を登録しておくと騒がしい環境でも鮮明に声を届けることが可能になる。
- Clip Now:画面の左上隅もしくは右上隅を長押しするとスクリーンショットが取れる。
- スクロールオート:2本指で画面をスワイプすると自動スクロールが始まる。アプリごとにオンオフの設定が可能。
- Bright Keep:シーンに応じて画面の点灯状態をコントロールできる。
- ゲーミングメニュー:ここに登録したゲームはプレイ中に攻略情報を検索したり画面録画や通知ブロックができるようになる。
- リッチカラーテクノロジーモバイル:環境に合わせてディスプレイ表示や画質を変更できる。
- インテリジェントチャージ:バッテリーへの給電とダイレクト給電を特定のタイミングで切り替えてくれる。
- なめらかハイスピード表示:最大120Hzである表示更新に連動して黒画面を挿入することで疑似的な240Hzを実現する機能。
- テザリングオート:あらかじめ設定した場所にいる時のみテザリングが自動でONになる
- ジュニアモード:子供でも使いやすいホーム画面にしたり防犯アラートや保護者による利用制限を設定できる。
- かんたんモード:全体的なUIがシンプルになる。文字サイズを大きくしたり背景色を明るくすることも可能。
- 迷惑電話の対策:連絡先に無い相手から着信した時の設定や通話の録音設定ができる。標準の電話アプリでのみ有効になる機能だから注意。
って感じでカスタマイズ性はめちゃくちゃ高い。特にPayトリガーやClip Nowといったショートカット系の機能は使いやすい上に誤作動がほとんどなく実用的だと感じた。逆にスクロールオートやテザリングオートといった自動化系機能は必要性を感じなかった。
兎にも角にもこれだけカスタマイズできると自分に最適化しやすくてうれしい。



sense10は先代との差別化点が少ない
ここまでレビューしてきた内容はsense10だけの特徴ではなく、AQUOS senseシリーズ全体の特徴である部分が多い。つまり裏を返せば先代との差別化点が少ないとも言える。
実際、sense9やsense8も6.1インチの軽量コンパクトボディに5000mAhのバッテリーを搭載し、MIL規格に準拠した堅牢性を持っているから、これといった差別化点はスピーカーがデュアルBOX構造であることとSnapdragon 7s Gen 3を搭載していることくらいになる。
他にもSDカードの最大容量が増えていたりソフト面での進化はあるものの、どれもマイナーアップデートに留まるレベルの進化だ。
ゲーム性能への過度な期待は禁物
重いゲームでおなじみの原神をプレイしてみたところ、デフォルトのグラフィック設定は”中”だった。

画質はそのままフレームレートを60fpsにしてプレイ続行。時間経過に伴って動作のもたつきが顕著になりラグも目立つようになった。ギリギリストレスなく遊べる及第点かなという印象で、お世辞にも快適とは言えない。

さらに追い込みをかけるため画質設定を”最高”かつフレームレートを60fpsに引き上げてみたものの、大きな変化は感じられなかった。これは設定を上げても安定して動作するというわけではなく、頭打ちの低さに起因する挙動だと思う。
その一方でクロック周波数の低さがプラスに働いたのか、発熱がかなり少なくアプリのクラッシュや異常終了のような挙動は一切なかった。
Snapdragon 7s Gen 3は先代から大幅に進化したとは言えミドルレンジスマホ用SoCということに変わりはない。ゆえにゲーム性能への過度な期待は禁物だ。
ワイヤレス充電には非対応
筐体がフルアルミ製という時点でお察しかもしれないんだけど、sense10はワイヤレス充電ができない。
とは言えワイヤレス充電ができなくて困るなんてことはないし価格帯や軽量性を考慮すれば順当だと思う。

カメラ撮影レビュー
続いてはカメラ撮影レビュー。私のメインスマホでありカメラ最強格と名高いPixel 10 Proと比較しながらsense10のカメラ性能を検証したい。
撮影条件は両者ともにオート撮影で1枚目がsense10、2枚目がPixel 10 Proの順番。こちら側で行うマニュアル設定はズーム時の倍率操作のみ。それでは早速やっていこう。
標準カメラ
まずは標準カメラの等倍から。結構暖色に寄っている印象。


2倍。色味の差がスゴイ。


5倍。ここからPixel 10 Proは望遠カメラに切り替わる。sense10はデジタルズームのまま。


8倍。sense10は全体的に輪郭がぼやけ気味だけど補正によって文字はかなり鮮明。


暗所撮影。さすがにセンサーサイズの差が出た。ハッキリ言って暗所には弱い。


広角カメラ
画質的には標準カメラとの差異をほとんど感じない。色味も相変わらず暖色寄り。


まとめ
sense10は軽量コンパクトボディでありながら大容量バッテリーと堅牢性を兼ね備えた抜かりないスマホなんだけど、これはAQUOS senseシリーズのコンセプトでありアイデンティティだからsense9やsense8にも同じことが言えてしまう。
じゃあsense10では何が進化したのかと聞かれたら、真っ先にSoCの大幅な改善が挙げられる。先代から飛躍的に成長したSnapdragon 7s Gen 3を搭載することで基本的な処理性能がブラッシュアップされ、過不足ない軽量コンパクトスマホの決定版と言える存在になった。
とはいえAQUOS senseシリーズはあくまでミドルレンジスマホ。質感は価格相応だし、当然ながらカメラ性能はハイエンドスマホに及ばない。逆に言えば、そこにこだわりがなければ良き相棒になってくれると感じた。
良いところ
- ミニマルなのにポップでかわいいデザイン
- 今となっては希少な軽量コンパクトスマホ
- Snapdrogon 7s Gen 3は当たりのSoC
- バッテリー持ちが超優秀
- スピーカー構造の改善で音質が良くなった
- MIL規格準拠のタフ仕様
残念なところ
- 高級感は無い
- 先代との差別化点が少ない
- あくまでマイナーチェンジ
- 原神などの重いゲームは快適にプレイできない
- ワイヤレス充電非対応
- カメラ性能はミドルレンジスマホ相応


