現在ではワイヤレスイヤホンが普及し、有線イヤホンを使っている人はぐっと減りましたね。
ここ数年の技術の発展によって、ワイヤレスイヤホンは小型化され音質も良くなり、バッテリーの持ちも着実に伸びていきました。もはや有線イヤホンは「時代遅れ」と言われても仕方のないものなのでしょう。
そんな今の時代に逆行してでもおすすめしたいのが今回レビューするfinalのE3000です。
さっそく見ていきましょう。
スペック紹介
ドライバーは比較的小型な6.4mmのダイナミック型
ドライバーはイヤホンの音質を決める要素の1つで、主に「ダイナミック型」と「バランスドアーマチュア型(BA型)」があります。
ダイナミック型は最も一般的なドライバーで、低音域から高音域まで幅広く対応しており音圧もしっかりとあるため、多くのイヤホンに採用されています。バランスドアーマチュア型は小型な上に音の再現性が高く、高価なイヤホンや医療用補聴器などに使用されています。
特にダイナミック型の場合、ドライバーが大口径であればあるほど低音に強かったり音の厚みが出やすい傾向があります。
それならダイナミック型のドライバーは大きいほうがいいんじゃないの?となりますが、一概にそうとも言えないのがイヤホンの面白いところ。
小さいドライバーであればあるほどイヤホン自体の小型化がしやすくなり、フィット感やデザインにもこだわることができます。さらに、ハウジング(ドライバーを覆うケース)の形状や素材を工夫することによって低音を強めたり音の厚みを出すことができます。
E3000はダイナミック型ドライバーを採用しており、ポイントとなるのが6.4mmという小さめなドライバーサイズ。
インピーダンスはオーソドックスな16Ω
インピーダンスはイヤホンの音質を直接的には影響しませんが、ノイズ量や音量を左右するため結構重要なポイントで、「Ω」という単位が使われていることから分かる通りイヤホン自体が持つ電気抵抗の事です。
基本的には高くなればなるほど(抵抗が増えるほど)ノイズが減りますがその分音量が小さくなります。逆に低くなればなるほど(抵抗が減るほど)音量が増えますがノイズが乗りやすくなります。
このためインピーダンスは高すぎても低すぎてもダメで、丁度いい値にしなければいけません。
イヤホンにおいては最も丁度いいとされているのが16Ω〜32Ωほどで、E3000のインピーダンスは16Ωとなっています。
感度は100dB
感度は出力音圧レベルなどとも言われ、再生音の強さを表します。出力音全体の音量はインピーダンスも関係してきますが、インピーダンスの値が同じであれば感度の数値が高ければ高いほど音量が大きくなります。
E3000の感度は100dBです。感度に関しては基準や目安といったものがありませんが、90dB~110dBあたりのモデルが多いので平均ど真ん中ですね。
再生周波数帯域の情報はなぜか無い
再生周波数帯域は、再生できる周波数の下限と上限を数値で表したもので、イヤホンのスペックを語る上ではかなり重要だと思うのですが公式ページには情報がありませんでした。なぜだ??
人間が聞き取れる周波数の範囲は20Hz~20000Hz程度ですので、それを超える再生周波数帯域は持っているということなんでしょうかね。
重さと大きさ
重さは全体で14g。
コードの長さは1.2m。
イヤーピースはサイズによって寸法が変わってしまいますので外して計測します。
ハウジング部は横が17mmで最大径が7mm。かなり小さいです。
ざっくり評価
音質
やや中高音よりのフラット型といったところ。
高音域と中音域はとてもクリアで全体的な音作りが繊細なイメージ。そのため低音はガツンと来るような感じがなく控えめな印象です。
個人的には低音の強さよりも音の全体的なクリアさを重視していますので、E3000の音質や音のバランス感はかなり好みです。
デザイン
ハウジング
鏡面仕上げのステンレスハウジングにさりげなく「final」「E3000」の刻印があり、質感がめちゃくちゃ良いです。
ハウジング背面側はメッシュになっており、ここももちろんステンレス製。低音の再生帯域を伸ばす役割を担っています。
コード
小さめなハウジングにマッチした細めのコードとなっており、パッと見は華奢な感じです。
第一印象は、うわコードほっそ!すぐ断線しそうだなーとか思っていましたが、雑に使っていても5年間持ってくれているので問題ないでしょう。
コスパはめちゃくちゃいい
この質感と音質を兼ね備えているにも関わらず実売価格4000円前後です。
このお値段ならとりあえずの1個としてもおすすめできますし、もちろん音にこだわりのある方にもおすすめできます。
唯一の欠点
それは左右の区別が難しいという点です。
E3000のデザインは秀逸なのですが左右対称になっているため、ぱっと見では左右の区別ができません。
この点への配慮として、付属のイヤーピースは左右それぞれでハウジングとの接合部が違う色になっているのですが、これも結局隠れてしまうのでほとんど意味がありません。
LとRの表記はあるのでここを見てから着用しています。
充実した付属品
まずはほとんどのカナル型イヤホンに付属しているイヤーパッド。E3000には5サイズ付属していますので好みで付け替え可能です。
イヤーフックも付属しています。切り込みにコードを入れることで耳にかけるタイプのイヤホンに変身します。いわゆるSHURE掛けと言われるスタイルですね。
あとはポーチも付属していますが失くしました!!
付属品は以上の3つです。
まとめ
良いところ
- ハウジング素材は鏡面仕上げのステンレスで高級感がすごい
- 全体的にクリアで繊細な音
- 実売価格が4000円前後でコスパが良すぎ
- 付属品が充実しておりSHURE掛けもできる
微妙なところ
- 左右の区別が難しい