なんだかミニミニうるさいですが、ミニマルライフとは必要最小限まで無駄を省く考え方である「ミニマリズム」を、生活に落とし込んだライフスタイルのことを言います。
このライフスタイルには人生を変えるレベルの効果がありますが、実践するにはなかなかハードルが高いのもまた事実。
そこで今回は、私自身が生活にミニマリズムを取り入れてみて分かったミニマルライフのメリットをまとめていきたいと思います。
ミニマリズムに目覚めたきっかけ

引っ越しの際に新居に荷物を移動するのがめんどくさくて、思い切っていろいろ捨ててみたところ、手元に残ったものがかなり少なくなったのが事の発端です。
モノを捨てるのには結構覚悟がいるもんですが、実際捨ててみるとその覚悟は何のためだったのかというほど困らないですし、結果的に引っ越しもラクになった。
この体験がきっかけで無意識にミニマルライフに近づいて行き、あとからもっとモノを減らせないかと模索していたころ、ミニマリズムという考え方に出会ったという流れです。
5つのメリット
出費が減り節約につながる
まず最初は実感しやすいメリットである「節約」についてです。ここで言う「節約」には大まかに2種類あります。
1つ目はモノが減ったことで直接的に支出が減る点で、わかりやすく一言でいうならば「モノの維持費」が減るといこうと。
極論にはなりますが、モノというのはそこにあるだけで維持費が発生します。
例えば、置物としてぬいぐるみを置いているとします。ぬいぐるみは動かないため、電力もガスも消費しません。しかし、ぬいぐるみを置いている「場所」を消費します。
そして、その場所には家賃や固定資産税としてお金がかかるのです。
モノが減れば、その持ち物の量に見合った「場所」を選ぶことができ、自分に最適な「場所代」を払うことで固定費の削減になります。
2つ目はシンプルに「浪費が減る」とういうこと。
ミニマルライフにおいては捨てる、売るといった「モノを手放す」行為が重要視されますが、それと同じくらい重要なのが、モノを買うときに本当に必要なものか吟味することです。
本当に必要なものかどうかの吟味が習慣化されモノへの選球眼が身につくと、無駄なものは買わなくなるため明らかに浪費が減ります。
時間に余裕が生まれる

持ち物が減るとそれと比例するように掃除や整理整頓の時間が減ります。
100個のモノがある部屋と10個のモノがある部屋では、掃除や整理整頓をするのに単純計算で10倍の時間差が生まれることになります。
また、持ち物が少ないとどこに何があるのかを把握しやすく、あれどこにあったっけ?といった探し物の時間が減ります。
このように無駄な時間を抑えることができれば、「自分の時間」を確保することができます。
さらに、持ち物が減るということはあらゆる選択肢が減るということでもあり、これは一見するとデメリットに思われがちですが、ミニマリズムでは逆にメリットとされています。
選択肢が少ないということは自分で決断する余地がない、つまりは思考のフェーズを無視して行動に移すことができるため、選択という思考時間をカットできます。
同じ服を数着購入して私服の選択肢をなくす「私服の制服化」は、思考のフェーズを無視した行動の典型的な例で、実際にやってみると身支度の時間を大幅にカットすることができます。
心にゆとりができる
個人的にミニマリズムを生活に取り入れることの最も大きなメリットがこれ。
余計な情報を取り入れず最小限をベースに生活すると、思考自体がよりミニマルでシンプルな方向に動くため、自分が本当に集中したいことに脳のリソースを割くことができ、無駄な考え事や悩み事、心配といった負の感情までもが最小限になります。
また、思考がシンプルになると自分の「好き」が明瞭になりやすく、それに対して忠実になることができます。
ミニマリズムによって自分に正直になれるからこそ、心が軽くなりゆとりができるのです。
行動力が上がる
意外なメリットですが、上3つのメリット「出費が減る」「時間に余裕が生まれる」「心にゆとりができる」のすべてが相互に作用しあい、結果として行動力が上がります。
まずは出費が減ることが行動力につながる点。
私たち現代人は、何か行動を起こそうとすると基本的にお金が必要になりますが、その行動に必要な資金を、節約して浮いた分から捻出することができます。
いたって単純なことではありますが、資本主義社会ではかなり重要なポイントですね。
続いては時間に余裕が生まれることで行動力も生まれる点。
モノ自体が少ないと整理整頓や掃除の時間が少なくなり、探し物という無駄な時間も減らすことができることと、選択肢を意図的に減らすことで、選択という思考時間までも減らせるというお話をしました。
時間の浪費を抑えることで、何か新しいことに挑戦したり、やりたかったことをやってみたり、行ってみたかったところに行く「自分の時間」が手に入ります。
アクティブな行動でなくても、映画を見たりゲームをしたりという娯楽や、昼寝をすることも休息という立派な行動で、こういった休暇や娯楽の時間は本業へのモチベーションにつながるため、個人的にはとても有意義な時間です。
最後は心のゆとりができると行動力が自然についてくるという点。
自分が今本当にやりたいこと、やるべきことが明確でないと、進む方向が分からなくなり「不安」や「怠惰」として行動力を低下させてきます。
ミニマリズムを生活に取り入れて、自分にとって不要なものや不要な情報を徹底的に排除すると、余計なことに脳のリソースを使わなくなるので、心にゆとりができ、自分が目指す方向性が分かってきます。
自分が今本当にやりたいこと、やるべきことは何かが見えてくると、自然とその方向に向かうように行動できるようになるという流れです。
物理的な身軽さは心の軽さにつながり、心の軽さは行動力につながるのです。
お気に入りに囲まれた生活ができる

「最低限」に残ったモノは「最高」の品質でそろえる。
これはミニマルライフの醍醐味であり永遠のテーマのようなもので、一言でいうと「少数精鋭」を目指していこうよということです。
少数精鋭を実現するには、「モノを手放す」という覚悟が前提条件になりますが、モノを手放すこと自体よりも、なぜそれを手放すのか、それを手放すとどうなるかという「理由と結果」に着目することで、モノが自分に与えてくれる効果や影響がハッキリします。
モノに対して「自分軸の価値観」が確立されると、時間とお金を自分が本当に好きなモノにフォーカスするようになるため、お気に入りに囲まれた生活ができます。
まとめ
個人的に実感できた5つのメリットを書き出しましたが、ざっくりまとめるとこんな感じです。
- 場所代と浪費を抑え節約ができる
- 整理整頓や探し物、選択の時間が減り「自分の時間」を持てる
- 本当に好きなことに脳のリソースを使えるため心にゆとりができる
- 目指す方向が見えてくるため自然と行動力が上がる
- お気に入りに囲まれた少数精鋭の生活ができる
なかでもミニマルライフで特に重要なポイントは2つ。
それは、「自分が本当に好きなことに脳のリソースを使うこと」と「自分軸の価値観を確立すること」で、この2つは個人的にミニマリズムの目指すべきゴールのようなものだと考えています。
こうしてまとめてみると、ミニマリズムはなんだか意識高い系に思われがちですが、そんなことはなく、言い換えてしまえば「やりたいことやろうぜ。そのためにそれ以外を最小限にしようぜ。」ということです。
実際、私は「努力しないための努力」をモチベーションに生活しており、このような「ゆるい頑張り」とミニマルライフはかなり相性が良いのでご安心を。
好きなことのために、それ以外を手放していく。そんなライフスタイルに少しでもビビっと来たら、ミニマリズムを生活に取り入れてみるのもアリかもしれませんね。